6月7日(日)9:45~11:30 ホール

「暮らしをつくる、これからの住環境整備
~退院前の準備・最小限での最大の効果の手法・暮らしのリノベーション~」

講師 久保田 好正 氏
株式会社 斬新社 代表取締役/作業療法士

「自分らしい暮らしをつくる」支援は、リハビリテーションの根幹である。リウマチの暮らし、 脳血管障害の暮らし、脊髄損傷の暮らしなど、疾患別の暮らしを目指すものではないことは明らか である。しかし、住環境整備となると途端に個別性が消え、病院や施設と同じような単なるバリア フリーの環境整備を押しつけてないだろうか。  

在宅を知らない病院勤務の作業療法士が住環境整備をアドバイスするのは、かなりの無理がある。写真や図面、ご本人やご家族の話だけでは今までとこれからの生活は浮かび上がってこない。実際、暮らしてみないと誰にもわからないのだ。それでも退院前カンファや退院前訪問指導では、作業療法士として住環境整備のアドバイスを求められるため、現在転倒していない病院や施設と同じ環境を在宅に持ち込むのは理解できる。しかし、それでは自分らしい暮らしにはならず、「安全のため一応つけましょう」と設置した手すりがタオルかけになるのは必然である。  

生活期で働く作業療法士は、そう言った現状を見て「病院の作業療法士は生活を見ていない」と批判することが散見される。特に同法人内に病院と訪問や通所サービスが併設されている場合に、病院で担当していた後輩に高圧的に指導するという構図が見受けられる。しかしそれは、生活期という現場で経験を積んだからこそ見えた風景であり、そのまま病院に勤務していれば決して見えなかった暮らしである。肝心なのは、病院はどこまでやるか、在宅は何をするか、そして病院と在宅はどんな意味のある連携をするのかということである。  

自分らしい暮らしとは何か。住宅とは何か。住環境整備は、どんな意味があるのか。病院スタッフが退院前にすべき準備は、在宅スタッフとの連携ポイントは、最小限で最大効果を目指す5つの手法とは。そして想像を超えるゴールを目指す、暮らしのリノベーション=自分らしい暮らしをつくる考え方と手法など、今の現場からできることをみなさんと考えていきたい。

略歴

久保田 好正 株式会社 斬新社 代表取締役/ 提案家

作業療法士、建築士、介護支援専門員、インテリアコーディネーター、福祉用具プランナー、福祉住環境コーディネーター2級

長野県小布施町出身。国立療法所犀潟病院付属リハビリテーション学院作業療法科卒業後、甲州リハビリテーション病院に就職。車椅子環境を整える有志プロジェクトチームの立ち上げ、地域リハビリテーション課への異動など様々な業務にあたると同時に、京都造形芸術大学建築デザイン科を卒業し、2級建築士を取得した。2010年、個人事業主として独立し、RehaBank事業を立ち上げ、2014年には株式会社 斬新社を設立。地域密着型通所介護事業所「ソーシャルデイひと花」、住宅解剖論、冥途カフェなど高齢社会を面白くする事業を展開。

著書

自分たちで創る現場を変える地域包括ケアシステム.ミネルヴァ書房,2015.

Rehabilitation Life.株式会社gene,2018.