被災関連プログラムシンポジウム

テーマ:「台風19号 ~作業療法士にできること~」

 令和元年10月12日13日に、記録的な豪雨をもたらす台風19号が上陸し、長野県内にも被害がありました。北信地区の被害は大きく、千曲川の氾濫、越水で広範囲にわたる水害にあいました。本当に、心が痛む出来事でした。

 そこで今回、台風19号による被災についてシンポジウムを追加開催することにいたしました。実際の出来事や復興の様子、作業療法士としてできることをシンポジストの先生方にお話しいただく予定です。

 

台風19号被害からの復旧〜作業療法士としてできること~

県立総合リハビリテーションセンター 竹内 晴美

 

 2019年10月12日に伊豆半島から関東地方を縦断した台風19号による大雨で、私の所属する職場は床上約40cm以上の浸水被害に遭いました。

 当日センターに入院・施設利用されていた方は、幸い一人の負傷者もなく、無事に自宅に戻られたり受け入れ病院に搬送されました。

 その後は毎日、泥水で汚れた 1 階部分の床や備品の清掃、片付けが始まりました。11月中旬に再来のみの外来診療が再開し、12 月中旬には障害者支援施設を利用し、病院・施設の業務を仮再開することができました。しかし建物や医療機器の被害は大きく、更に新型コロナ感染症の影響で、部品が届かないなどで工事が進まず、当初の計画以上に時間がかかりました。完全復旧に至ったのは2020年3月になってからでした。

 復旧作業の中で、作業療法士だからできた。と思うことは正直あまりありません。ただ、“生活全てが作業である”とするなら、被災後に取り組んだ活動は全て、暮らしを取り戻すための作業であり、私たちが日々向き合っている対象者の方と同様、自分自身への作業療法だったのではないか。と感じています。

 当日は被災直後からの経過と,作業療法士の思いや取り組みについてお伝えします。

 

長野県作業療法士会災害支援について

~令和元年台風19号における被災地支援~

長野県作業療法士会 副会長 傳田 拓男

 台風19号の通過に伴い被害が明らかになり10月13日県士会災害対策本部の設置と各自役割の確認。

 実際には10月14日災害発生翌日認知症の人と家族の会からの電話から災害支援が始まった。その後、社協、長野市、長野県と個人として、士会として何ができるのかとどのように動いていくのか連絡を取り合った。

 10月16日作業療法士会災害対策会議を開催し今回の災害における活動テーマ「被災された方々の生活に寄り添うことを念頭に置きながら活動していく」が決まる。14日から活動を行っていた傳田が被災地域該当会員となり、作業療法士会の災害対応マニュアルに基づき活動を行う。

 当士会HPにも掲載していたように、県、県社協、市社協、その他福祉団体と連携をとりつつできる支援を行ってきました。

 今回の支援の中で、作業療法士として、また作業療法士会としてどのような活動を行ってきたのかをお話しするとともに、今後の動きに関しても触れていきたい。

 

「Project Ringo no Ki 」について 

~偶然の出会いからつなぐ 「作業することで、人は元気になれる」~

地域密着型特別養護老人ホームみのりの杜 古村 香

 災害発生後11 月上旬に、介護支援専門員協会のケアマネジャースタッフとして「ふくし相談窓口」の対応で避難所を訪れました。たまたま作業療法士会の方を見かけ、活動中であることをそこで知り、立ち話をしました。

 目の当たりにした被災地の光景、ふくし相談窓口で聞いた被災された方たちの気持ちやお話、受け取ることだけで精一杯でした。

 2日間の活動を終えた帰り道、だんだん過去形になっていく思いに「被災された方たち、地域のために、作業療法士は私は何ができるんだろう」と考えていました。見たもの聞いたこと、ピースがつながっていったとき、今回の「Project Ringo no Ki 」 に向かっていました。

 Project は被災された地域のリンゴの木を通じて「明日へ未来へ、のこし、つないでいく」ための募金活動です。長年農家さんが手塩にかけ育ててきたリンゴの木、たまたま災害に遭い実をつけることはできなくなった。でもその木がみんなの手を経て、形を変えのこる。募金をしていただくことで木を譲っていただいた農家さん、地域の再生へつないでいけたら。

 県内とはいえ被災地から離れた南信の地で、このProjectを通じて多くの出会いがありました。木工業者さん、施設のお年寄り、小学生、高校生、社協、地域の方たち…。

 リンゴの木とそれにまつわる「作業」を介して、人や地域の元気や力になれたらいいと思っています。

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